【雇用】安定した雇用は社会の基盤だ|梶原やすひろ公式ウェブサイト

かじわら康弘の考え

【雇用】安定した雇用は社会の基盤だ

■日本の構造的な課題

 高度経済成長を経験した日本はわずか数十年で負の構造的な課題を抱えることになりました。①人口減少、②少子高齢化、③莫大な財政赤字、④長期デフレ、⑤地方の疲弊などです。人口減少を例に挙げると、2010年に1億2806万人というピークの後、人口は減少し続け、2050年には1億を、2100年には5000万を割ると予測されています。日本経済は長期にわたって低迷し、地方は消滅の危機に瀕するのです。

 

■社会も変質しつつある

 最近、子ども虐待、身勝手な殺人や詐欺、貧困の実態などの信じられないようなニュースが続いています。日本社会が変質しつつあると危惧します。右傾化した政治家は道徳教育が欠けていると主張しますが、子どもにそれを詰め込んだところで身に付くものではないのではないでしょうか。子どもが社会から大切にされている、親に守られている、と感じて成長すれば、自ずと社会の規範を守り、親や家庭を大切にするものです。
私たちの社会基盤が崩れつつあるのだと思います。

 

■少子化対策が最大の課題

 もし子どもを産み育てやすい社会であったならば、人口はここまで減少することはないでしょう。急速な高齢化が回避され、就業人口も増加するため、財政赤字は圧縮されます。購買力も増加するのでデフレから解消され、地方の人口減少も緩和され去り、貧困率は米国についで世界第2位となりました。その一方で大企業の内部留保は今や354兆円、3倍強に膨れ上がりました。
 様々な施策が取られた中で、一番やってはいけなかったのが、雇用制度の改悪だったと思います。人材派遣の規制緩和を進め、ついに安倍総理は生涯派遣法を強行しました。

 

■雇用制度の改悪が少子化を招いた

 非正規雇用の増加に伴って確実に賃金格差が広がり、低所得の若者は晩婚化、非婚化、そして少子化が進むこととなりました。安倍総理は盛んに経済成長だと言いますが、そもそも経済成長は手段であって目的ではなく、政治がめざすべきは国民生活の安定ではないでしょうか。
 安倍総理がここ3年でやってきたこと、生涯派遣法の強行をはじめ、アベノミクス、法人税減税、TPPはいずれも大企業に利するものであって、そのお蔭で企業収益は年々最高益を更新しています。さらに残業代ゼロ法案を次の通常国会に提出するとしていますが、まさしく企業収益を増やすために国民生活を犠牲にしているのです。

 

■雇用の安定を図り、持続可能な社会を

 日本は農耕文化を起源として共同体意識が生まれ、真面目で協調性のある社会を形成してきました。その基盤があったからこそ世界に冠たる技術力を磨き、高度成長を支えたのです。
 日本の代表的な企業の創業者はその多くが人を大切にしたと言われます。ところが、今日の経済界は目先の利益を求め、株価を上げるために社員を切り捨ています。平気で社員を切り捨てるなら、誰が企業のために真剣に働くでしょう。
 労働者はもちろん消費者でもあります。労働者の可処分所得が削られれば、消費が低迷するのは自明のことです。また、企業は優秀な人材を求めていますが、健全な家庭や社会がなければそれも不可能です。分厚い中間層をつくり、国内消費の拡大によって持続可能な経済を築くことが政治の役割だと思います。