【農業・食糧】農業と食糧を守るために戸別所得補償制度の復活を|梶原やすひろ公式ウェブサイト

かじわら康弘の考え

【農業・食糧】農業と食糧を守るために戸別所得補償制度の復活を

■農業を捨てた自民党

 かつて農業と農村は自民党の基盤であり、農協は集票マシーンとしてフル回転しました。しかし、自民党は先の衆院選で「TPPに反対する」と公約し、政権を取りましたが、農協の反発を力でねじ伏せ、TPPに大筋合意しました。
 農水省は合意前、「TPPは農業に大ダメージを与える」としていましたが、今は自民党からの強烈な圧力によって「当面、影響はない」と誤魔化しています。また、農業衰退の原因を農協に押し付け、農協改革を断行しました。
 TPPと今回の農協改革で農業と農村が切り捨てられたのだと私は思っています。

 

■TPP大筋合意

 農業は保護され過ぎているという声があります。しかし、現実には日本は欧米と比べて最も保護されていない国です。米国や仏の食糧自給率は120%超、独は90%超、英国も80%超に達していますが、自国の農業と食糧を守るために多大な公費を投入しているのです。
 日本の食糧自給率は39%であり、TPPによって20%台になると言われています。人気取りで登場した小泉農林水産部会長は農産物の輸出を強化すると息巻いています。これを否定するつもりはありませんが、輸出品目といえば和牛やメロン、白桃であり、貿易額は上がっても農業や食糧を守ることにはなりません。
 農業の目的は何でしょう。食糧安全保障、自然環境の保全、地方における雇用創出と経済の活性化、伝統文化の継承などです。国民が飢えないためには穀物の自給率を高める必要がありますが、TPPによって益々他国に依存することになります。今日の異常気象が農作物に深刻な影響を与えるものと想像できますが、国民が必要とする食糧を守ることができるでしょうか。

 

■農協改革

 農協の体質には問題があると私も考えています。しかし、自民党が行った農協改革は株式会社化を促し、利益優先を課すものです。条件の悪い農業の現場を守れるのでしょうか。そもそも株式会社は利益追求が目的であり、協同組合は組合員に利益を還元するための組織なのです。
 農協は組合員の利便のために不採算事業も継続していますが、株式会社化が進めば、撤退を余儀なくされるでしょう。過疎地では農業も生活さえもできなくなるかもしれません。また、米国の穀物メジャーや流通などの大資本に買収される危険性が高まります。生産者側の利益や立場が守られるということではなく、日本の農業や食糧を守ることができなくなると懸念します。

 

■農業を守ることは国を守ること

 財政赤字や新自由主義の進展、とりわけ地方では少子高齢化と人口減少が進み、自民党は目先の利益と保身のために考え方を転換しました。アベノミクス、TPP、雇用法制の改悪、法人税減税はいずれもその現れです。それを引き換えに農業を捨てたと言えるのではないでしょう。
 穀物を外国に依存することの危険性や日本の豊かな自然、地域経済、食の安全を考えると今こそ農業と農地を守り、地産地消の産業と地域を築き、国民の安全な食糧を確保しなければなりません。そこで培われた農村文化が世界に称賛される精神や伝統を育んだのです。経済的な繁栄にのみ心を奪われる限り、格差が蔓延し、地方は疲弊し、日本文化が損なわれていきます。大企業がどんなに繁栄しても国と国民を守ることではありません。

 

■戸別所得補償制度の復活

 戸別所得補償制度を復活させるべきだと考えています。民主党政権当時、農家を優遇する政策だと批判されましたが、経費の補てんをするわけですから、販売価格を抑え、輸入品に対抗することができます。安全でおいしい農産物を国内に流通させることは消費者の利便につながるのです。持続可能な農業を実現し、自然環境と地方、さらに文化を守っていくことが政治の役割であると確信しています。